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MTECジャーナル 第21号(2009年12月)

過去に発行した論文誌「MTECジャーナル」をご紹介いたします。

所属は当時

著者 Teruo Nakatsuma(Keio University)
タイトル A Bayesian Model Averaging Approach for Portfolio Selection
要旨

We propose a Bayesian model averaging (BMA) approach for portfolio selection. In our BMA approach, we can incorporate uncertainty of model specification as well as uncertainty of parameters into the traditional mean-variance approach. Since the mean vector and the covariance matrix of the future asset returns are given in a closed-form expression for our BMA approach, the portfolio selection problem can be solved as a standard quadratic programming problem. As an application, we apply the BMA approach to the Japanese stock indices and compare its performance with the traditional approaches.

Key Words: Bayesian model averaging, mean-variance approach, multifactor model, portfolio selection, predictive distribution.

著者 久木田 徹(MTEC)
タイトル 情報の不確実性, 非対称性とask/bidスプレッド
要旨

市場参加者が非対称な情報を持つ場合にマーケット メーカーが提示する買値 (ask)/売値 (bid) について, マーケットマイクロストラクチャーの枠組みを用いて調べた. 特に, 情報の中にノイズが多く含まれるケースでは, 取引を繰り返しても ask/bid スプレッドはあまり縮小しないことから, 不確実な情報に基づく取引はランダムに取引を行うノイズトレードとそれほど違わないことを意味する結果となった.

著者 野崎 真利(MTEC)
タイトル 日本市場におけるエクスターナルファイナンスの研究
要旨

本稿では, 日本市場における過去 22 年間のデータを用いてエクスターナルファイナンスと株式収益率の関係について実証分析を行った. さらに, ヘッジポートフォリオの収益率がどのような理由で発生するのかを調査した. その結果, 日本市場においてもエクスターナルファイナンスと株式収益率には負の関係が見られるものの, それは主に純営業資産の変化に起因することを確認した. さらに, 収益率格差が産み出される原因を調査した結果, 特に大きなエクスターナルファイナンスを実施した企業では, 減価償却費の増加や金利負担増による利益率の低下が発生するが, その傾向は事前の業績予想に織り込まれておらず, それが収益率格差を産み出す原因であることが示唆された

著者 石谷 謙介, 加藤 恭(MTEC)
タイトル 不確実性を含んだマーケット・インパクトモデルの下での最適執行問題
要旨

マーケット・インパクト (MI), 即ち自己の取引が株価に及ぼす影響を考慮した市場モデルにおける投資家の最適執行問題を考える. 本研究では特にMI が不確実性を含んだ場合について考察した. 具体的には, まず離散時間モデルにおいて MI のノイズが独立同分布な確率変数列によって記述される場合を考え, 取引時刻の間隔を短くした時の極限として連続時間モデルにおける最適執行問題を特徴付ける値関数 (value function) を導出した.また, 具体的なモデルに対して数値実験を行い, MI のノイズが投資家の最適執行戦略に与える影響について検証を行った.

著者 川口 宗紀(MTEC)
タイトル ポートフォリオインシュアランスを利用したダウンサイドリスク抑制について
要旨

本論文では, ダウンサイドリスク抑制のためにポートフォリオインシュアランスを利用する場合の戦略構築の 1 つのアプローチを提案する. ダウンサイドリスク抑制の効果を計測する尺度として, VaR, CVaR, 下方部分平均の 3つについて比較分析を行った. このアプローチに従うことで, ポートフォリオインシュアランスを利用しない場合と比べて, ダウンサイドリスクを抑制しつつ期待リターンを高めることができることが分かった.