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海外研究員派遣(スタンフォード大学)

スタンフォード便りVol.3
 by 田代雄介

1 はじめに

1年ぶりにお届けします、無事アメリカから日本に帰ってきた田代です。昨年末に帰国したのですが、ちょうどコロナが酷くなった時期で、飛行機がちゃんと飛ぶかハラハラさせられました。3日間のホテル待機も体験しましたが、食事が3食とも似たような仕出し弁当だったことを除けば、何の問題もなく快適でした。お弁当も無料での提供なわけですし、これで文句いったらバチが当たります。

2 研究生活

3年目にもなると書くネタがなくなってきましたが、まずは研究生活を振り返ります。

ということで、2020年に続き2021年も機械学習の国際学会NeurIPSに論文が採択され、発表してきました。査読のスコアが昨年はほぼボーダーライン上だったため、メールが届くまではひたすらお祈りしていました、いやー良かったです。2年連続での発表は元々の目標ではあったものの、「採択率2割だし、なかなか上手くはいかないだろうなあ」と、駄目だった場合のことも色々考えていたくらいだったので、正直この結果は望外でした。

さて、昨年の研究は、時系列データに存在する欠損をどのように正確に補間するか、という問題がテーマでした。この問題に対し、「スコアベース生成モデル」という新しい技術に注目し、精度よく補間できる新たな手法を提案したのが評価されて、論文として採択されました。この「スコアベース生成モデル」、実は研究室内でのメイン研究トピックの1つで、おかげでいち早く研究に着手できたという裏話があります。競争が激しい機械学習の世界で、最新技術への素早いアクセスは大きなアドバンテージ。この技術は今年も活発に研究されているくらいにホットなトピックで、本当に良い研究室を選んだなと思います。

なお、学会は残念ながら昨年もオンライン開催でした。学会発表の楽しみの一つは現地での臨場感なのですが、渡米中の発表は結局全てオンラインでしたね……おのれコロナ!!! 学会参加者もオンライン開催に飽きてきた感があり、ポスター会場の賑わいなどは2020年に比べて低下していました。論文や発表録画もチェックできるので、わざわざポスターに参加しなくてもいい、ということなのだと思います。それでも、私のポスターにはそこそこの数の研究者が訪れてくれました。時系列の欠損補間ということで、医療分野の計測値のような時系列を扱っている研究者が興味をもってくれたようです。

余談になりますが、帰国後に日本のオンライン学会に参加したら、海外学会と比べてポスター会場が圧倒的に盛り上がっていました。もちろん時差の有無などの違いの影響もあるのですが、しっかりポスターに参加する日本人の真面目さを感じましたね。

3 コロナ下での生活

昨年もずっとコロナ下での生活でした、こんなに長引くとは大半の人は想像しなかったのではないでしょうか。結局滞在期間の半分以上がコロナ下でした、コロナ許すまじ。とはいえ、ワクチンが広まってからの米国は、日本に比べて社会がかなり楽観ムードになっていたように感じます。街の人口は2020年と比べて明らかに増えましたし、10月からの秋学期には大学内にも人が戻り、対面での研究室ミーティングも再開していました。飛行機を使う人の数も夏頃にはかなり戻っていて、私もロサンゼルスまで大谷選手を見に行ったりしました。生で見る大谷選手は体格も大きくナイスガイでした! ちなみに、夏のロサンゼルスの球場での陽射しはとても強く、日焼け止めを塗り忘れた場所が数ヶ月間赤いままでした……カリフォルニアでは日焼けに気をつけましょう。

コロナ直前に計画して頓挫した南米行きが果たせなかったのが心残りですが、生きていればそのうち機会はあるでしょう。

4 振り返って

米国生活を振り返って思うのが、まず「行ってみれば意外とどうにかなる」ということ。渡米前は「英語力も大してないし、機械学習での研究実績があるわけでもないし、下手をしたら実績0でトボトボ帰ってくることになるのでは」と実はかなりネガティブモードになったりしていましたが、しっかりと成果を残すことができました。結果論と言えばそれまでですが、行かなければ何も始まらなかったわけで・・・

また、それ以上に感じたのが人との縁・繋がりの大事さです。コロナ下での一人での渡米、おまけに車がないので遠出もおいそれとできない環境。人との繋がりがなかったら早々に気が滅入っていたと思います。研究室のメンバー、そして現地で知り合った友人たちには心からの感謝を伝えたいです。

下の写真は、帰国間際に研究室で開催されたパーティで撮った、Stefano先生との1枚。研究の要点をスパッと見抜いて適切なアドバイスをくれたり、稚拙な私の論文草稿を数段階ブラッシュアップしてくれたり、さまざまな点で助けられました。人柄も素晴らしく最高の先生でした。

5 おわりに

帰ってきて数ヶ月経ちますが、スタンフォードでの時間は振り返っても夢のようでした。長期間このような経験を積ませてくれた会社・関係者の皆様に感謝いたします。そして、幸運にも研究成果を残せたこともあり、引き続きスタンフォードに研究員を送ることが決まりました。海外でも活躍できるような研究を行いたいという意欲のある方をMTECではいつでもお待ちしております。

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