インタビュー研究員 北島 貴一
INTERVIEW01
生きた金融を研究して社会へ還元する面白さ
北島 貴一
研究部 研究員
2018年新卒入社
インタビュー
生きた金融の研究ができる
元々、数字を駆使して人の活動を明らかにしていくことに興味があり、大学では金融を専攻し、大学院の修士課程を修了してMTECに入社しました。キャリアをスタートして以来、金融研究者としてとても充実した日々を送っています。
MTECとの出会いは、インターンシップに参加した大学院1年の夏でした。アカデミアでは手に入れにくい貴重なデータを使ってさまざまな分析を行い、心を踊らせた経験が「MTECへ就職したい」という強い思いに繋がりました。実ビジネスに即した生きた金融研究に従事できるMTECの仕事がとても魅力的に感じています。
社会に役立つ研究の面白さ
これまで私がいたアカデミアの世界と、企業における研究との一番の違いは「ユーザー視点があるか否か」です。基礎研究や理論研究ではアカデミアが力を発揮しますが、先進的な研究や実証研究は、やはり企業にアドバンテージがあると思います。企業研究者になったからには、「研究成果をいかに社会に役立てていくか」を強く意識して結果を出していかなければならない。私が目指すところは、そこにあると思っています。
「研究」としての問題解決
単なる「データ分析」ではなく、金融分野の研究員として問題解決に取り組む姿勢を大切にしています。金融の研究は、多くの先人たちの蓄積によって成り立っています。MTECで直面するどのような問題に対しても、まず先行研究を徹底的に調査し理解した上で、適切なアプローチを探ります。我々の分析結果は金融機関である顧客を通じて多くの人々に影響を与える可能性があります。そのため、行き当たりばったりの方法論に頼るのではなく、妥当性、客観性、再現可能性が確保された研究に基づいた解決策を提供することを心がけています。
私の専門分野に完全には一致しない問題に直面することもありますが、多様なバックグラウンドを持つMTECの同僚に助けてもらったり、学会での他の研究者とのコミュニケーションを通じて、解決の糸口を見つけたりすることができます。また、先人の成果に依存するだけでなく、自らの研究成果を積極的に発表し、金融分野全体の発展にも貢献していきたいと考えています。
深い理解が良い結果を生む
写真が趣味で、現在はフルマニュアルのフィルムカメラをよく使用しています。このカメラの良さは、今日のカメラのような便利な機能が皆無で、撮影者に写真への深い理解を要求するため、デジタルカメラを使っていたときよりもシャッターを切ることに真剣になれる点です。私たちが行っている分析や研究も似たようなところがあって、より良いものを生み出すには、深い理解が大切になってきます。表層的な理解だけでも、データの加工や分析はできて何かしらの結果は出せますが、研究対象の仕組みや特性を理解していればもっと良い結果を出すことができます。
私たちの仕事は、対象となるものに対する理解の度合いが、分析の良し悪しに反映される仕事で、深い理解を前提に“何を解くべきか”を考えるところに研究職の最大の存在意義があると思っています。研究者としてのキャリアは始まったばかりですが、そんな課題意識を忘れずに、研究者としての道を歩み続けていきたいと思っています。
一日の流れ
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8:00
起床
勤務開始前に各国中央銀行などが新たに出した論文や、SNSで話題になっている技術記事に軽く目を通す
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8:30
出社 & 朝会参加
在宅勤務を開始。社員有志主催の朝会に参加し、最近注目している論文に関する報告を聞く
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10:00
分析作業
前日からクラウド上で計算を回していた結果を確認しつつ、次のステップに向けてコードを書く。午前中はミーティングが少ないのでコーディングに集中。
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11:30
昼食
自宅の近所のカフェで昼食。食後は運動不足解消がてら散歩。
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13:00
顧客ミーティング
今までの分析結果を報告しつつ、顧客からの疑問・質問を引き出し、できるだけ丁寧に答えることを心がける。
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15:00
分析作業
顧客からのフィードバックを元に、分析の深堀を行う。社内データベースが整備されているおかげで追加分析を素早く始められる。
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17:00
新人研修対応
新人に課していた研修タスクの結果を確認する。ファイナンス理論の細かい点について補足説明を行う。
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18:00
調べ物
分析中に詰まった部分について書籍や論文を確認。最近の計量分析手法についてキャッチアップする。
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19:00
退勤
自宅で夕食を食べる。就寝まではゲームをしたり本を読んだりしてリフレッシュ。
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2:00
就寝
趣味のプログラミングを進めていたら深夜になっていた。急いで就寝。
メッセージ
学生時代の研究を深めておく
MTECを志望される方は研究者肌の方が多いと思いますが、私の経験から言えることは、大学や大学院で“今、自分がやっている研究を深めておくこと”が重要だということです。第一線の研究者たちと一緒にプロジェクトを進めていくと、自分の力のなさを痛感することもあると思いますが、自分が学生時代に研究してきた分野や、その中で培ったスキルは、絶対に会社に入ってからも活きてきますし、武器になると思います。